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事例1の操作(特定の相手にX文献として引用された自社の特許を探し、引用の相手・書類・時期を確かめる)を、動画(約1分52秒)でご覧いただけます。
※音声はありません。字幕でご覧ください。
2026年10月7日のアップデートで追加した、日本特許の審査記録にある引用文献情報を使う引用分析(JP)の項目(検索条件「被引用の詳細 (JP)」、集計「被引用種別 (JP)」「被引用年 (JP)」、表示項目「被引用の詳細 (JP)」、引用関係結合の「辿る引用の詳細で絞る」)を使うと、自社の特許が「誰に・どのカテゴリーで・どの書類で・いつ」引用されたかを、いつもの検索結果画面から調べられます。
この記事では、トヨタ自動車株式会社の2015〜2019年出願(32,740件)を自社の特許に見立てて、4つの分析事例を操作手順つきで紹介します。件数はいずれも2026年9月時点の実測値です。各項目の意味や用語は 引用分析(JP)|被引用の詳細・被引用種別・被引用年月 をご参照ください。
この記事でわかること
共通の準備:自社の特許を検索する
どの事例も、フィールド検索(詳細検索画面の「フィルター(詳細)」タブ)の1行目に自社の出願人条件(必要なら出願年)を置いた状態から始めます。この記事では、対象期間を「出願日」 2015-01-01〜2019-12-31、公開国を「JP」、詳細検索条件の「出願人/譲受人/権利者」に「トヨタ自動車株式会社」を入れています。検索すると32,740件です。
※ 出願人名は、集計「出願人 (JP:最新)」で旧社名・関連会社・全角英字の名義を確認し、必要な名義を空白区切りで並べます。英字は全角で登録されていることが多く(例:株式会社SUBARU)、半角で入力すると0件になります。
「本田技研工業がX文献として引用した自社特許を、案件と日付つきで出してほしい」という依頼を想定します。従来は「被引用カテゴリー (JP) = X」で絞り込めても、相手の出願人では絞り込めなかったため、Xで引用された特許の詳細ページを1件ずつ開いて相手を確かめる必要がありました。条件「被引用の詳細 (JP)」を使うと、相手とカテゴリーの両方を同じ1件の引用で満たす特許だけが、1回の検索で出ます。
1. 検索フォームの「フィルター条件を追加」をクリックし、追加された行の項目選択で「共通」 › 「引用関連」 › 「被引用の詳細 (JP)」を選びます。
2. 「相手の出願人名」に「本田技研工業株式会社」、「引用カテゴリー」に「X」を入れて検索します。引用書類の種別・起案日は空欄のままで構いません(入れた欄だけで絞り込みます)。
3. 検索結果は157件になりました(2026年9月時点。審査記録の追加で件数は増えることがあります)。検索条件設定には「citation_back_pair : 本田技研工業株式会社 / X」と表示されます。これが「本田技研工業にX文献として引用された自社特許」です。
4. 結果一覧の右上にある「表示項目設定」アイコンをクリックし、「被引用の詳細 (JP)」にチェックを入れて閉じ、再検索します。「被引用の詳細 (JP)」は、結果の表示形式が「詳細」のときに各公報の下に表示されます(「リスト」「AIサマリー」では表示されません)。
5. 各特許に「被引用の詳細 (JP)」が表示され、引用1件が「相手の出願番号 / 出願人 / カテゴリー / 種別 / 起案日」の1行で並びます。下の例では、1件目の特許を本田技研工業の2件の出願がX文献として拒絶理由通知(19)で引用していることが分かります。トヨタ自動車や日産自動車など、条件に合わない引用も参考として一緒に表示されます。
6. Excelに出すときは、結果一覧の「XLS」アイコンをクリックし、出力項目の検索欄に「被引用の詳細」と入力して「被引用の詳細 (JP)」にチェックを入れてダウンロードします。Excelでは1セルに引用の数だけ行が入ります。
事例1は「自社の特許」を絞り込む操作でしたが、こちらは「相手の出願」を検索結果にする操作です。引用関係結合に加わった「辿る引用の詳細で絞る」で、X文献として引用した相手の出願だけを結果にし、出願人で集計します。フォロワー企業やライセンス候補の把握に使えます。
1. フィールド検索に条件行「引用関係結合」(「共通」 › 「引用関連」)を追加し、次のように設定して検索します。
| 欄 | 設定 |
| 「引用世代数」 / 「被引用世代数」 | 0 / 1(被引用先だけを辿る) |
| 「引用/被引用元を除外」 | チェックを入れる(元になった自社特許を検索結果から外し、相手の出願だけにする) |
| 「辿る引用の詳細で絞る」の引用カテゴリー | X(拒絶理由通知だけにするなら引用書類の種別に 19 も指定) |
2. 検索結果は3,839件になりました。これは「自社特許(トヨタ自動車の2015〜2019年出願)をX文献として引用した相手の出願」です。集計項目を「出願人 (JP:名寄せ)」にすると、本田技研工業 262件、デンソー 233件、ダイハツ工業 165件、SUBARU 128件、日立Astemo 109件…と、相手のランキング(相手の出願件数)が表示されます。
※ ランキングの数字は「相手の出願件数」です。「相手ごとに自社特許が何件引かれたか」を知りたい相手は、事例1の条件「被引用の詳細 (JP)」で1社ずつ指定してください。
※ 自社の出願人条件に入っていない自社出願(旧社名・別表記など)からの引用は、相手として残ります。出願人条件に別名義も並べておくのが確実です。「同一値を除外」に出願人を指定しても除けますが、元になる検索結果が数十万件のときは、結合で追加できる件数の上限(10万件)で結果が途中で切れます。
※ 逆に、自社出願の審査で引用された文献(先行技術)の出願人を出すには、引用世代数 1・被引用世代数 0 にします。
自社特許が「どの書類で・いつ」引用されているかを集計で俯瞰し、値をクリックして絞り込みます。拒絶理由通知の引用文献として使われた特許は、他社の権利化を妨げた実績のある特許として、防衛価値の評価や維持・放棄の判断材料になります。
1. 検索フォームの「集計」タブで「集計項目を追加」 › 「共通」 › 「引用関連」から「被引用種別 (JP)」と「被引用年 (JP)」を追加して検索します。
2. 検索結果画面の集計に「被引用種別 (JP)」「被引用年 (JP)」が並びます。自社の特許(32,740件)では、31 特許査定の参考文献 30,480、19 拒絶理由通知 14,011、89 先行技術調査 13,907、22 拒絶査定 3,047 でした。被引用年は2024年 12,506、2025年 12,047、2026年 7,503(9月時点)と推移が分かります。集計値は、種別が引用の件数、年が引用の回数(起案日ごとに数えた数)です。
3. 集計の「19 拒絶理由通知」をクリックして選択し、「絞り込み」をクリックします。
4. 検索条件設定に「citation_back_types : 19」が加わり、拒絶理由通知の引用文献として使われた自社特許 8,648件に絞り込まれました。さらに被引用年の値を選んで絞り込めば「2025年に拒絶理由通知で引用された特許」のように絞り込めます。
※ 期間を厳密に指定するときは、事例4のように条件「被引用の詳細 (JP)」で種別と起案日 From〜To を同じ引用で判定します。
※ クロス集計は「被引用種別 × 出願年」「出願人 × 被引用種別」のように、自社側の項目(出願年・出願人・分類など)と組み合わせます。「被引用種別 × 被引用年」のように被引用の項目どうしは組み合わせられません。
特許調査会社が公表する「他社牽制力ランキング」は、「対象期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)の引用文献として使われた特許」を企業別に数えたものです(件数は引用された特許の数、他社の審査での引用)。同じ定義の数字をPatentfieldで作ります。
1. 自社の出願人条件に続けて、条件「被引用の詳細 (JP)」を追加し、「引用書類の種別」に「19 拒絶理由通知」と「22 拒絶査定」、「起案日 From」〜「To」に 2025-01-01〜2025-12-31 を入れて検索します。
2. 検索結果は2,958件になりました(自社の特許を2015〜2019年出願に限定した例)。検索条件設定には「citation_back_pair : 19,22 / 2025-01-01~2025-12-31」と表示されます。この件数は自社からの引用も含み、引用1件ごとに数えているため、公表値より2〜3割多く出ます。
3. 公表値と同じ数え方(他社のみ・書類単位)にするには、表示項目「被引用の詳細 (JP)」をエクセルダウンロードの出力項目に加えて出力し、Excelで次のように加工します(1社10分程度)。
| Excelの加工 | 操作 |
| ① 引用を1行ずつにする | 「データ → テーブルまたは範囲から」でPower Queryに読み込み、被引用の詳細の列を「列の分割 → 区切り記号による分割」。区切り記号はカスタムで改行(#(lf))、詳細設定で「行」に分割 |
| ② 5つの欄に分ける | 同じ列を「 / 」で「列」に分割し、相手・出願人・カテゴリー・種別・起案日の5列にする |
| ③ 種別と起案日を位置で対応させる | 種別列と起案日列をそれぞれ「,」で「列」に分割(種別1〜4、起案日1〜4)。「閉じて読み込む」でシートへ |
| ④ 自社以外・対象年の拒絶理由だけにする | 出願人列が自社を含む行を除く。フラグ列に =OR(AND(OR(種別1="19",種別1="22"),LEFT(起案日1,4)="2025"), AND(OR(種別2="19",種別2="22"),LEFT(起案日2,4)="2025"), …) を入れ、TRUEだけ残す |
| ⑤ 数える | 特許番号でピボット(値=行数)。ピボットの行数が「他社に引かれた特許数」(公表値に対応)、行数の合計が延べの引用回数、上位が「最も引用された特許」 |
※ 牽制先(自社特許を拒絶理由に使われた相手)のランキングは、事例2の引用関係結合で「辿る引用の詳細で絞る」に種別 19・22 と起案日を入れ、出願人で集計します。
※ 公表値との差の主な原因は、権利移転・社名変更による名寄せ(旧社名・持株会社・関連会社の名義を並べる必要がある)、海外企業のカタカナ表記の揺れ、および引用の記録が「どの種別がどの起案日か」を持たないことによる近似です。
| 目的 | 使う操作 | 出る数字 |
| 特定の競合にXで引かれた自社特許を出す(権利行使・交渉の材料) | 事例1:条件「被引用の詳細 (JP)」に相手・カテゴリー X | 特許数 |
| 誰が自社特許をXで引いてきたか(フォロワー企業・ライセンス候補) | 事例2:引用関係結合 + 辿る引用の詳細で絞る(X)→ 集計「出願人 (JP:名寄せ)」 | 相手の出願件数 |
| 拒絶理由通知に使われた自社特許を見る(防衛価値の評価) | 事例3:集計「被引用種別 (JP)」で 19 をクリック。期間を絞るなら条件「被引用の詳細 (JP)」に起案日 | 特許数 |
| 被引用の推移を年・月で俯瞰する | 事例3:集計「被引用年 (JP)」「被引用月 (JP)」 | 起案日ごとの回数 |
| 他社牽制力ランキングと同じ定義で数える | 事例4:条件「被引用の詳細 (JP)」に種別 19・22 と起案日 → Excel加工 | 特許数 |
| 誰が・いつ・どの書類で引いたかの対応表を報告書に載せる | 事例1:表示項目「被引用の詳細 (JP)」→ エクセルダウンロード | 引用1件1行 |
| 自社出願の審査で引かれた文献の出所(技術の源流) | 条件「引用の詳細 (JP)」、または引用関係結合の引用側(引用 1・被引用 0) | 特許数 |
| 1件の特許について、誰が・いつ・どの書類で引いたかをその場で確かめる | 特許詳細ページの「引用分析」タブ | 引用1件ごとの内訳 |
Q. 条件「被引用の詳細 (JP)」の「相手の出願人名」に社名を入れたのに0件になります。
A. 相手の出願人名は完全一致(末尾 * で前方一致)で、名寄せは行いません。「株式会社」の有無や英字の全角・半角(例:株式会社SUBARU)で一致しないことがあります。まず「社名*」で前方一致検索し、集計「出願人 (JP:最新)」で実際の名義を確認してください。
Q. 引用関係結合で検索したのに件数が増えません/減りません。
A. 「引用/被引用元を除外」にチェックが入っていると、元になった自社特許が外れて相手の出願だけになります。チェックが無いと、自社特許に相手の出願を加えた結果になります。「辿る引用の詳細で絞る」の条件に合う引用が1つも無い場合は、除外ありなら0件、除外なしなら自社特許と同じ件数になります。
Q. 相手ランキングの上位が自社です。
A. 出願人条件に入っていない自社出願(旧社名・別表記など)からの引用が、相手として残るためです。出願人条件に別名義も並べておくのが確実です。
Q. 「被引用カテゴリー (JP)」と「被引用日 (JP)」を両方付けたのに件数が多すぎます。
A. 従来の検索項目を2行重ねると、Xで引用された記録と指定期間に引用された記録が別々の引用でも、特許1件の中に両方あれば該当します。1件の引用で判定するには条件「被引用の詳細 (JP)」を使ってください。
Q. 相手ごとの被引用推移(相手 × 被引用年)をクロス集計できますか。
A. 被引用の項目どうしのクロス集計はできません。条件「被引用の詳細 (JP)」で相手を1社指定してから被引用年で集計するか、事例2で出した相手の出願を出願年で集計する、2段階の操作になります。
Q. 集計の値をクリックしても件数が変わりません。
A. 値をクリックすると選択状態(+)になります。続けて集計欄に表示される「絞り込み」をクリックすると検索条件に追加され、再検索されます。
Q. 米国特許の被引用も分析できますか。
A. 対象は日本の審査記録に基づく引用文献情報のみです。日本の審査で米国公報が引用文献になった引用は含まれますが、米国の審査での引用は対象外です。