PFスコアを利用した競合企業の分析

PFスコアを利用した競合企業の分析

前回、PFスコアを利用した市場プレイヤーの分析手法について解説しました。
今回は、PFスコアを利用した競合企業の分析手法について解説いたします。

京都大学を例に、京都大学が注力している技術分野(自社重要度)と、他社の後願または製品開発に影響を与えている(他社影響度)技術分野を分析します。



操作動画01(操作1-2)


操作動画02(操作3-8)


1.PFスコアの設定

PFスコアの基本的な設定方法は、PFスコアのヘルプページをご参照ください。
PFスコアでは、スコア名を設定することで、複数の観点でスコアリングを行うことができます。
今回は競合企業の分析として、「自社重要度」と「他社影響度」という指標を作成し、この指標に基づき出願している各技術領域を分析します。
各指標で利用している算出項目については、下記図をご参照ください。

「自社重要度」では、パテントファミリー出願国数や、分割有無、早期審査有無、など
「他社影響度」では、被引用件数(自社引用除く)、情報提供有無、異議申立有無、無効審判有無、など


スコア名を設定してPFスコアを設定することで、検索結果の母集団のすべての特許に対して、下図のように結果が表示され、各指標ごとのスコアを確認することができます。



2.PFスコア設定の保存

設定したPFスコアは、フロッピーマークをクリックすることで保存できます。
保存すると、いつでもスコア設定を呼び出すことができます。
また、ピンマークをクリックすることで、保存したPFスコアをデフォルト設定にできます。
*保存したPFスコアは、ブラウザのキャッシュに保存されます。そのため、ブラウザを変更したり、ブラウザのキャッシュを削除すると、保存したスコア設定も消去されますのでご注意ください。



3.検索条件の作成

トップページのグローバルヘッダーにある検索入力欄で、「国立大学法人京都大学」と入力する。
地球儀マークをクリックし、「出願人」を選択して、検索を実行する。



4.スコア設定をPFスコアに切り替える

スコア設定を「PFスコア」に切り替えることで、PFスコアの算出条件に基づいたスコア表示に切り替わります。
保存したPFスコア設定を用いる場合は、詳細検索画面の「スコア」タブから、保存したPFスコア設定を選択します。

また、マップで表示される値も自動的に件数ベースからスコアベースに切り替わります。
*PFスコアの算出条件の設定方法は、PFスコアのヘルプページをご参照ください。

5.マップの設定

マップの集計条件を「テーマコード」に切り替えて、マップの種類を「散布図」に設定します。


6.集計条件を設定からマップの表示設定をする

「集計条件」をクリックして、マップの表示条件を設定します。
表示件数は、マップに表示する件数を指定します。
X/Yの項目は、「PFスコア 自社重要度」と「PFスコア 他社影響度」を選択する。
散布図の集計条件設定については、こちらのヘルプページをご参照ください。




7.権利状態選択を「権利維持(JP)」に変更する

権利状態選択では、ヒットした検索結果の公報に対して、ステータス別の絞り込みができます。
「権利維持(JP)」を選択すると、日本で登録済みかつ権利維持されている特許だけに絞り込みされます。
分析用途に応じて、出願係属中のものを含めたまま分析するか、権利維持だけにするかは適宜ご選択ください。



8.分析マップの完成

分析マップからは、「4B065 微生物、その培養処理」の分野が最も自社重要度が高く、「4J002 高分子組成物」の分野が最も他社影響度が高い領域という結果が得られました。



京都大学の「4B065」の分野に関する関連キーワードをみると、IPS細胞、ES細胞などに関する出願が多いことが分かります。
自社重要度では、ファミリー出願国数や優先権主張数など特許に対する投資が反映されやすい項目が多く、京都大学として注力している分野であるといえます。
 

また、同様に「4J002」の関連キーワードでは、セルロース繊維、クラフトパルプなどに関する出願が多い。
他社影響度では、被引用件数や情報提供、異議申立など、他社の後願または製品開発に対して影響を与えている項目が多く、他社と比較して技術先行している分野といえます。
 







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